厩務員の給料はいくら?手当・寮・勤務時間まで見て分かる働き方

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厩務員の給料を調べると、まず目に入るのは年収や月給の平均です。厚生労働省のjob tagでは、厩舎スタッフが含まれる職業分類の2025年賃金統計として年収360.8万円、ハローワーク求人統計では2025年度の求人賃金が月24.2万円と表示されています。ただし、この数字は個々の競馬場の厩務員だけを切り出した給与表ではありません。

実際の収入は、基本給のほかに担当馬の出走手当や賞金に連動する部分、寮や住居費の負担、休日数などで差が出ます。「月給はいくらか」だけでなく、1年働いたときに何が残るかまで見ると、求人票の見え方がかなり変わります。

先に答え

  • 公的統計の年収・求人月給は目安として使い、個別の厩舎条件と分けて考える
  • 地方競馬では担当馬の出走手当や賞金の一部が収入に加わる例がある
  • 寮費、勤務時間、休日、担当頭数まで見ないと実際の働きやすさは分からない

厩務員の給料は、月24万円台がひとつの目安

厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」は、厩舎スタッフについて全国の賃金統計を掲載しています。2025年の賃金構造基本統計調査を加工した数値では年収360.8万円、2025年度のハローワーク求人賃金は月24.2万円です。2026年6月の月別求人賃金は24.8万円となっています。

ここで注意したいのは、job tag自身も統計が必ずしも「厩務員だけ」の数値ではないと明記していることです。対応する職業分類には近い仕事も含まれるため、「厩務員なら必ず年収360.8万円」と読む数字ではありません。就職先を選ぶときは、公的統計を相場を見るためのものとして使い、実際の求人条件を別に確認するのが安全です。

また、中央競馬と地方競馬では採用までの道も違います。中央競馬の厩舎スタッフはJRA競馬学校の所定課程などを経る必要がありますが、地方競馬は欠員時の募集が中心です。地方競馬の厩務員は調教師に雇われ、主催者等の認定を受けて働きます。2026年2月現在、地方競馬では2,440人の厩務員が認定されています。

手当と寮で、手元に残る額が変わる

厩務員の収入が分かりにくい理由は、給与明細の「基本給」だけでは仕事から得るお金を説明しきれないためです。NARの大井競馬場の厩務員インタビューでは、担当馬ごとに出走手当があり、上位入着時には賞金の5%が入る例が紹介されています。大井では2頭担当を基準に基本給が決まり、担当馬が増えると加算されるという説明もあります。

もちろん、これは大井の一例で、手当の名称や金額、賞金の分配方法は競馬場や厩舎ごとに同じではありません。求人票に基本給しか書かれていない場合は、面接や応募前の問い合わせで「担当馬の出走時に手当があるか」「賞金に連動する収入があるか」「何頭担当を想定しているか」を確認した方が実態に近づきます。

もう一つ大きいのが住居です。競馬場周辺や北海道の競走馬牧場では、寮・住み込み付きの募集が珍しくありません。たとえば月給が数万円高くても家賃と光熱費を自分で負担する職場と、月給はやや低くても寮費が小さい職場では、手元に残る額が逆転することがあります。

見る順番:基本給 → 固定手当 → レース関連の変動収入 → 寮・住居費 → 年間休日。この順に並べると比較しやすくなります。

中央・地方・牧場では、働き方もかなり違う

「馬の仕事」とひとまとめにせず、どこで働くかを分けて見る必要があります。

働く場所 収入を見るポイント 勤務を見るポイント
中央競馬の厩舎 月例給与、担当馬の成績に連動する収入 美浦・栗東を中心に早朝勤務、競馬開催時の出張
地方競馬の厩舎 基本給、担当頭数、出走手当、賞金配分など 競馬場ごとに募集条件や休日の取り方が異なる
生産・育成牧場 月給、住宅・寮、賞与、職種による差 繁殖・育成・騎乗など仕事内容と季節で変わる

中央競馬の平常日の例としてjob tagは、午前5時30分ごろから朝の作業を始め、午前11時30分ごろにいったん終了し、午後2時30分ごろから再び作業して午後4時ごろに終える流れを紹介しています。競馬開催日はさらに早くなる場合があります。

北海道の牧場求人を見ると、同じ「馬に関わる仕事」でも条件差は大きいです。2026年9月時点のハローワーク浦河・静内の掲載例では、月給22万~28万円で年間休日68日の募集、月給26万~30万円で年間休日59日の募集、月給21万円で年間休日90日の募集などがあります。給料の高低と休みの多さは必ずしも同じ方向に動きません。

求人票では「時間・休み・担当頭数」を見る

求人票では、月給の次に勤務時間と休日を見ます。馬の仕事は中休みが入ることもあり、始業と終業だけでは実際の1日が分かりません。

  1. 始業と終業だけでなく中休みを見る。 早朝から午前中、長い休憩を挟んで午後に再開する勤務があります。
  2. 年間休日と休日の取り方を見る。 「月○日」「週休○日」だけでなく、遠征や担当馬の状態で当番が入ることがあるか確認します。
  3. 担当頭数を確認する。 頭数が収入加算につながる職場もありますが、世話と健康管理の責任も増えます。
  4. 寮の費用を確認する。 寮ありでも無料とは限りません。家賃、光熱費、食費、駐車場まで分けて聞きます。
  5. 変動手当の条件を確認する。 出走したら必ず付くのか、入着時だけなのか、支給率や支給時期まで確認します。

NARのインタビューでは、大井のある厩舎で7人の厩務員が交代で休日当番を担当し、担当馬の体調や遠征によって休みがなくなる場合もあると語られています。求人票の「休日数」だけでなく、担当馬が出走する週の生活がどうなるかを聞くのが現実的です。

未経験なら、給与より住まいと教えてもらえる環境

未経験者なら、最初から給与の上限だけを追うより、教えてもらえる体制と住む場所を優先した方が失敗しにくくなります。地方競馬は競馬学校のような一律の養成課程がなく、競馬場や厩舎によって経験条件が違います。NARの厩務員インタビューでも、競馬場によっては牧場経験を求める一方、未経験から入れるところもあるとされています。

北海道の競走馬牧場では「未経験歓迎」「寮・住み込みあり」の募集も現に出ています。馬の扱いに慣れていない段階では、住居を確保しながら基礎を覚えられる職場は選択肢になります。ただし「寮がある=条件が良い」ではありません。部屋代、食事、車が必要かどうか、最寄りの買い物環境まで含めて考えます。

応募先を2~3件並べて、年間の現金収入と、住居費を引いた後の金額を同じ表にすると比較しやすくなります。仕事内容が同じに見えても、休日と住居条件で生活は大きく変わります。

早朝勤務と体力仕事は避けて通れない

厩務員は馬の状態を毎日見ながら働く仕事です。400~500kgほどの競走馬を扱い、馬房清掃、手入れ、給餌、調教補助などを行うため、体力だけでなく馬の変化に気づく観察力も必要です。早起きが得意かどうかだけでは判断できません。

「馬が好きだから何とかなる」と給与や勤務条件を確認せずに決めるのは避けたいところです。 逆に、早朝勤務や休日の取り方を理解したうえで、馬と継続して向き合う仕事をしたい人には、一般の仕事とは違う収入の仕組みや経験があります。

応募前には、仕事内容、担当頭数、月給、変動手当、寮、休日を紙に書き出し、分からない項目を残さないこと。求人票に書いていない項目こそ、入ってからの差になりやすい部分です。

よくある質問

厩務員になるのに資格は必要ですか?

中央競馬ではJRA競馬学校の所定課程を修了し、日本調教師会の採用試験に合格するルートがあります。地方競馬は一律の養成機関や定期試験ではなく、採用後に公正確保のため主催者等の認定が必要です。募集条件は競馬場・厩舎ごとに確認してください。

厩務員は寮に入らないと働きにくいですか?

必須とは限りませんが、早朝勤務のため職場近くに住むメリットは大きいです。寮付き求人なら、家賃だけでなく光熱費、食費、車の必要性も確認すると実際の生活費を比べられます。

厩務員の給料は賞金で大きく変わりますか?

担当馬の出走や成績に連動する収入がある職場では変わります。ただし制度は競馬場や厩舎で異なり、毎月一定ではありません。生活費は固定給を基準に考え、変動分を前提にしすぎない方が安全です。

給料を見るなら、月給より1年の暮らし

厩務員の給料を見るときは、平均年収や月給だけで判断せず、手当、担当頭数、寮費、勤務時間、休日まで一緒に見ます。公的統計では年収360.8万円、求人賃金月24.2万円という目安がありますが、個々の厩舎の給与そのものではありません。

求人を比べるなら、まず「1年でいくら受け取るか」と「住居費を含めていくら残るか」を同じ条件で並べること。馬の仕事を長く続けられるかは、その差がかなり効いてきます。

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